2000年前の東漢時代青銅「金なり木」は西安でみごとに修復 - 基本情報|中国旅行のチャイナエイト
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2000年前の東漢時代青銅「金なり木」は西安でみごとに修復
更新日:2020年12月01日

 「揺銭樹(ヨウセンジュ)」とは 「金のなる木」とも言われています。 後漢時代(23~220)の四川地方に限られた、特に三星堆(サンセイタイ)遺跡周辺から出土した独特の副葬品で、三星堆文化の「神樹」の伝統、四川地方の土着文化の源流を汲んだものといわれています。
 最近、陝西省考古学研究院の文化財保護技術者たちの2年以上の整理と保護作業より、宝鶏市南郊外にある東漢時代古墳に出土されたブロンズの「揺銭樹(ヨウセンジュ)」は修復された。

 「揺銭樹(金のなる木)」は主に漢と魏の時期に四川地区を中心とする南西地区に分布していたもので、秦嶺北側と中原の地方に比較的に珍しい存在です。この度、修復された「揺銭樹」は人物、動物、銅銭などの多くの元素からなる造型が精巧で美しくて、技術が複雑で、2000年前の秦嶺蜀道の両端の文化交流を立証しました実物です。

2年間で修復作業を完了し、錆の除去には顕微鏡の下で手術用メスを動かした

 この「揺銭樹(金のなる木)」は宝鶏市高新区郭家崖村西側にある「郭家崖墓地」から出土しました。2017年11月から2018年2月まで、陝西省考古研究院は宝鶏市考古研究所と共同でチームを組み、現地小学校の建設用地で発見された文化遺跡を発掘しました。墓の形と出土の器物によって、それが東漢時代の中期や末期の墓葬だと判断されました。
 「金のなる木」が発掘現場M 15号墓で出土した。M 15号墓はレンガ墓室で、南北に墓道があります。墓道、封門、甬道(とおり道)、前墓室、後墓室、側墓室の6つの部分から構成されています。
 「金のなる木」は、出土された時、前墓室の南西の角に置かれ、枝の不完全な部分が乱れて、その周囲に散布されたままで、枝の葉、木の幹と木の座から構成しています。
 修復作業について、陝西省考古研究院文化財保護研究室の宋俊栄副主任は「極めて薄くて、脆くて割れやすい葉っぱだから、錆の除去作業は基本的に顕微鏡の下でメスを使わなければならなかった。錆を除去した後、すべての保存済みの葉類を分類し、欠損部分を補い、昔の姿の通りに組み立てした。」と説明した。

高さ110センチの青銅の木の幹に、縦に5層の枝葉が交差している「揺銭樹」

 修復された「揺銭樹(金のなる木)」の高さは110センチで、主幹、枝葉、台座の三つの部分からなっています。
 青銅の木の幹に縦に交差する5層の枝葉のテーマには鳳凰鳥、玉璧、人物などがあり、独特で華麗な形をしています。
 台座は鉄質で、下部に360度に均等に分布している三叉状の支柱があります。台座の上部は上端が大きい、下端が小さい椎状中空体です。
 木の幹は5節に分けられています。各節に一つの仏像を作って、全部で5体はあります。仏像は頭上に高い肉のまげがあり、頭の後に楕円形の頂光があり、目が大きくにらんで、顔表情が生き生き、衣服の紋様が綺麗、左手が拳を握り、右手が手のひらを外側に向って施無畏印(せむいいん)をつくり出し、双足がぐるぐる巻き、結跏趺座(ケッカフザ)しています。
 縦横に交差している五重の枝葉のテーマには、鳳凰鳥、銭形の枝葉、鳳鳥玉璧、猿などがあります。その中で5層目の枝葉の真ん中にある璧と仏像の模様はやや壊れていますが、これまで出土した仏像の枝葉と照らし合わせて、その姿はぼんやりと見えます。仏陀の両側に頭に尖った帽子をかぶって、目が大きくて、鼻が高い人物が二人ずつ立っています。その人物が上を向いて仏像を見上げ、蓮の花の藤を持っています。仏像の両側は蓮の花のような葉で飾られています。葉の頂部には蓮の花が一つずつあります。壁の下側は曲がって上に向かう竜の紋様がみられています。竜頭の頂部が比較的にとがっているため、カバーをしてその他の枝葉を掛けるように使います。

「揺銭樹」は漢魏時代に四川一帯が流行した

 「揺銭樹(金のなる木)」は秦嶺から北へ中原地域まで珍しいものでした。「揺銭樹」は主に漢魏の時期に四川地区を中心とする西南地区に分布していて、「神樹」とも呼ばれて、マスコットとされています。その流行の時期はそれぞれ東漢時代の早期、中期、末期と三国時代などの4期に分けられ、西晋時代まで消えてしまった。
 「郭家崖墓地」から出土した「金のなる木」は宝鶏地区から関中一帯までの漢時代の墓には珍しい。陝西の境内で「金のなる木」テーマに関する考古学的発見地は主に勉県の紅廟、勉県の古道寺、勉県の長林鎮楊寨村、城固県の第一中学校、漢中市の商店鎮、洋県の五間郷などでした。
 「揺銭樹(金のなる木)」のイメージの形成は巴蜀地区の「神木」のイメージと漢魏時代の「以富相尚(富貴を尊ぶ)」を主導的な観念の影響を受けて、現地の商業と財産を尊ぶ民俗と切っても切れません。
 「揺銭樹」の思想は歴史前と先秦時代の「祖先崇拝」、「社神崇拝」から発祥し、秦と漢の時代の「神仙思想」を吸収しました。その中心思想は「富貴」と「神仙」の結合を求め、多種の幸福の入り乱れを求めるのです。
 「揺銭樹」は時代の特徴の比較的に鮮明な副葬の明器であるだけではなく、大量の歴史、民族、民俗、宗教及び神話の情報を含んでいる金銭や富貴を求める物欲観の表れです。

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