食事レポート プリント
驚きの「筒骨鍋料理」専門店
更新日:2014年12月29日

中国での食材は、日本人には驚くような物も多く、雑多と思えるほど豊富な種類がある。この部門に関しては、中国が断トツの世界一であることは、間違いないことであろう。

肉類は、鶏・豚・牛・羊は勿論、家鴨・鵞鳥・鳩から始ってあらゆる鳥類、馬・ロバ・蛙・蛇や近年は禁止されている野性動物類と、実に様々です。

中でも、最も好く中国人に食されている肉は豚であります。

ニ-ハオ!チャイナエイトへようこそ

中国の家庭では、骨付肉の状態で調理されることは普通のことです。太い豚の骨付き肉がゴロゴロ入ったままで、鍋ごと出てくることは珍しいことではありません。

 

そんな中国でも、筒骨鍋(豚の膝頭骨)は、余り一般的な料理ではありません。

 

撮影日:2014年11月20日

撮影場所:広西省桂林市 普陀路6号(三里店)「筒骨・車馬炮家味館」

尚、この文は、在桂林の日本人より寄稿されたものです。

 

知人の中国人6人と私(日本人)の総勢7人で、筒骨料理専門店「車馬炮家味館」へ行く。

 

円卓の中央にガスコンロが据えられた席へ案内される。

 

席に着き注文をだし暫くすると、大鍋が運ばれてくる。

 

鍋には、なみなみのスープの中に、巨大な骨がゴロゴロと入っている。

それは初めて目にする巨大な豚の膝頭骨である。

 

両手で拳骨をつくり、その両手を合わせた位もある大きさがある。

一体全体、この骨だけゴロゴロしたのもは、スープをだす為にか食べる為に出されたのかと迷っている内に、私の碗にもその大きな固まりの一つを取分けてくれる。どうしたらよいのか呆然とする。

 

周りを見ると、箸を持たない空いた手に薄いポリ手袋をつけ、手掴みで歯で刮ぐように食べている。

 

私も同じように、ポリ手袋をつけた左手で掴み上げる。手にずしりとした重量感が伝わる。この巨大骨は、口にするには余りに多き過ぎるものである。

 

改めて見ると、食肉処理された後の骨であるが、ほんの僅か肉がへばりつくように残っている。関節部には、半透明の白いプルプルした部分も残っている。

 

他の人と同じように、薄くへばりついた肉を歯で刮ぐように食べてみる。

肉の量としては僅かなものであるし、味としても印象に残る程のものでもない。

半透明のプルプルした部分はコラーゲンそのものであり、肌には良さそうであるが無味無臭で、旨くも不味くも無いものである。

 

次にストローを渡され戸惑っていると、周りの人が骨の髄にストローを突き立て吸い始めている。真似をして、髄に突き立て吸ってみる。

数時間煮込まれた大膝頭骨の髄は、柔らかい豆腐状のフニュフニュになっていて、ズズーっと口に流れ込んでくる。

栄養価は非常に高いものであろうと想像するも、格別旨いものでも不味いものでもない。

 

円卓上に出されている大きなボールへ、手袋・ストローと一緒に巨大骨を投げ入れる。

 

大鍋には、白濁したスープだけが残っている。

碗へ大鍋のスープを入れて貰う。

 

最初に大鍋に溢れるほどのスープと共に、巨大骨が出てきた時にはビックリし、野性的で武骨な山賊料理かもとの印象であったのが、

スープを一口含むと、その荒々しい印象は一変し、優しい滋味に満ちた豊かな味わいが身体中に広がり、その落差は衝撃的である。

 

中国料理では、スープ(湯)はとても重要視されていて、円卓を囲んでの食事の際、湯(スープ)を何にするかを真剣に話し合っている場面に、度々遭遇することがある。

中国料理での湯(スープ)の位置付は高く、旨い湯(スープ)の種類も多く、私も色々な湯(スープ)を味わってきました。

その中でも、この筒骨スープは出色の旨さの一つです。

 

筒骨を食べ終わり、スープを味わい、鍋の半分以下に減ったスープへ、新に注ぎ足して貰い、注文した鍋の材料を順に楽しむことになる。

 

先ず、牛百叶(センマイ?)を入れ、その間に別に注文した鉄板肥牛(鉄板牛肉ピーマン炒め)、蕨根粉(ワラビ粉のソバ)、馬肉丝(糸切り干馬肉と香菜和え)をつつきながらビールを飲み、煮上がるのを待つ。

 

鍋料理の食べ方に、中国と日本とで少し違いがある。

日本では普通、鍋に全ての材料を綺麗に入れた状態で提供されるか、自分たちで入れる場合も、固く時間の掛かるものを先に入れ、柔らかく短時間で煮上がるものを後に入れ、最後に同時に食べられるようにするのが一般的であるのに、

中国では、一種類の材料を全て入れ、それを食べ尽くしてから次の材料をとなるのが一般的である。

 

中国の鍋では、普通最初に肉を入れ、それを食べ終えてから次の材料を入れるのだが、

私が肉の最中に豆腐や野菜を入れて欲しいと頼むと、肉が残っているので未だ駄目と言われたことがある。何んでと聞くと、肉の旨味が出た後に他の材料を順に入れて食べる方がおいしいからと説明され、妙に納得したことがある。

 

中国のレストランの一皿分の量は多く、大人数(5~10人)での食事には丁度良いが、小人数(2~3人)では多量すぎて持て余す位である。

日本人としては、とても旨い肉であったも、それだけを食べ続けていれば飽きてくるので、間に豆腐や野菜を口にして、変化を求めたいところである。

しかし、旨い鍋を囲むのに、多少の違いは大きな問題ではない。

 

今日の人数(7人)では、材料一皿の量も申し分なく、各自が2、3回鍋から引き上げて口に運べば、一皿分が綺麗になくなり次へと移るので、快調に食事が進む。

 

筒骨スープで煮上った牛百叶(センマイ)は、シャキシャキとした歯触りで、アッサリとしてとても旨い。

 

次に白いトロットした物が入れられる。

暫くして白くフワっとした物が浮き上がり、腕に入れて貰い口にする。

 

鱈の白子のような感じで、トロットした厭味のない旨さである。

牛の脳とのことである。初めて食べたが、淡白で鱈の白子に近い味は悪くないものである。

 

合間合間に鍋のスープを飲み、その旨さに堪能する。

鍋の初めに口にした時、ほんの少し塩が強いと感じたものの、順に材料を入れる度に円やかになり、増々魅力的味わいに深まってゆく。

鍋の進行も考慮して、予め少し濃い目に味を調えていたのかとも思える。

 

更に、牛血を鍋に入れる。これは牛の血を腸に詰めて固め、ソーセージ状にしたものを小口に輪切りにしてあり、食べるとレバーをさらに柔らかくしたような口触りである。非常に栄養価の高いものであるが、多分好き嫌いに分かれる物であろう。

中国では、鶏・豚・牛などの血も食材として普通に提供され、度々する機会がある。

 

その後も、凍豆腐・菜花(菜の花)と鍋に入れ堪能する。

最後に、玉子と牛乳とで練った黄味状のトロリとした餡の入った包子を食べしめとなる。

 

食後のゆったりとした気分に浸りながら想うに、

最初に巨大膝頭骨の登場で驚かされるのは、その後の料理やスープを楽しんで貰う演出であるようである。

 

肌に良さそうなコラーゲンは、女性客には喜んでもらえそうであるが、味としてはへばりついた肉も含め、格別印象に残るものでもない。

それよりは、野性的で荒々しい巨大骨と、優しいスープとの大きな落差を意識しているのだと考える。

 

私達もその狙いに見事に嵌り、大満足である。

 

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