交通レポート |
現在、広まりつつある公共自転車とは一体……? |
更新日:2014年12月29日 |
今年(2014年)、中国は中華人民共和国建国65周年を迎えました。 |
ニ−ハオ!ようこそ~チャイナエイトへ~!
嘗て、日本のテレビ等でもお馴染みのシーンであったのが、広い道路一杯を埋め尽くし、延々と続く朝夕の出退勤時の自転車の隊列の迫力ある場面でした。
しかし、約10年程前から急速に自動車の普及が進み、都市部では5・6年前から交通渋滞が頻繁に発生し、又都市の大気汚染の要因の一つにもなっています。
この問題への取組が、桂林でも新に始られようとしています。
中国で公共自転車と称される共用自転車システムの取組が、一番最初に導入されたのは上海市近くの浙江省都杭州市でした。
2008年5月から2013年末までに、杭州市は7.8万台の自転車を投入し、3067ヶ所の自転車サービス・スポットを設置しました。
今では、市街地で約300メートル各に自転車サービス・スポットが在り、1日あたりの利用者は28万人以上に上ります。
撮影日:2014年09月28日
撮影場所:広西省桂林市 市街地
ベトナムと国境を接する最南の広西省では、かなり後れましたが
漸く、昨年5月に柳州市、11月に広西省都の南寧市に続き3番手として、今年10月1日から桂林市でも運用がスタートします。
第一期段階で106ヶ所の自転車サービス・スポットを設置し、3000台の自転車を投入して開始します。
サービス・スポットは、鉄道駅前、バスステーション、学校、病院、デパート、大型市場、繁華街、観光スポットなどに設けられています。
レンタル用自転車のフレームは軽く丈夫なジュラルミン製で、ノーパンクタイヤを用いています。サドルも自由に高さを変えて使用でき、前カゴも付けられています。
可愛らしい配色のスマートな車体は、パンクや故障の心配も少く、気持好く街乗りを楽しめそうな風情で、サービス・スポットに駐輪しています。
9月28日、レンタルカードの申請が始まりました。
カード使用の保証金が200元、レンタル料金分として最初に100元を入金する必要があります。
レンタル料は1時間以内は無料、1時間を越えた1時間各に2元のレンタル料がカードから引き落されます。
賢く利用するコツは、1時間以内に手近なスポットへ一旦返却し、直ちに再度レンタルと繰り返せば、長時間利用しても一切レンタル料は発生しません。
さらに、この共用自転車システムには事故対策として、予め利用者に自動的に保険が適用されるよう保険会社と契約されています。
利用中に自ら転ぶ、人にぶつかる、バイクや車と衝突などの際に適用されます。
しかし、利用者の交通ルール違反や故意による事故の場合は、保険適用を受けられません。
共用自転車システムはヨーロッパで始められ、日本でも一部の都市で普及しつつあります。
欧米や日本では、約1世紀から半世紀以上の期間を要してモータリゼーションが進行し、都市での車の増加に因る弊害の問題に直面しました。
これら諸国は、車の増加がピークに達し、頭打ちになりつつある中で、台数を減らす又は、利用の抑制の一手段として、この共用システムを取り入れてきました。
併せて都市内の公共交通の充実を図り、新型路面電車や地下鉄の拡充を行いと、積極的に乗換えを促進させる施策も打っています。
一方中国では、大きく事情が異なっています。
約10年間との短期間に、急速に車が増え過ぎ、欧米や日本と同じように弊害を抱えている情況は一緒ですが、車の増加のスピードは衰える気配はありません。
中国の道路を溢れるほどの車が占領しています。
それでも尚、夢のマイカー生活に憧れをいだく億を超える民衆が控えている状況が、決定的な違いです。
中国でも大都市では、地下鉄が大活躍しています。
しかし、都市の規模からすると路線数が少く、中小都市ではバスのみです。
このような状況で、自転車共用システムが効果を上げるには、とても困難が伴います。
それでも、大阪府とほぼ同規模の杭州市で成果が上がっているのは、もしかしたらとの期待も抱かせるものです。
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