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観光地レポート |
新天地 |
更新日:2015年02月16日 |
石庫門弄堂は上海人が何代にも互り、生活をしてきた家であり、暮らしの息吹が充満した場所だ。現在上海でよく見にする弄堂は早期の石庫門を改良したもので、新天地はその石庫門と独特の外観を残しつつ、中はモダンで機能的にリノベーションした。レストランやショップ、アミューズメント、カルチャーとサービス・アパートメントなどが集結したこのエアリアはテラス席やバーでお茶を楽しむ外国人の姿や、スクエアで行われる各種パフォーマンス、歩行者天国などでにぎわう、西洋諸国特有のカルチャーが中国石庫門とコラボレーションした正に「新天地」である。 |
2002年新天地は上海新旧文化を堪能できる観光スポットとしてオープンし、以来多くの観光客の足を引きとめて止まない。ここは欧米をはじめ近隣アジアからの訪問客が多く毎日夜には驚くほどのにぎやかさを見せている。
淮海路の高層ビルに周囲を困れて再建、リノベートされた石庫門が美しくライトアップされ、特に黄昏からは色んな肌の色と様々な国の言語が飛び交い。狭い路地と路地裏の小庭の間に子だまする。この石庫門の帯が持つ香りと雰囲気を理解すれば、上海を一層深く知りえることだろう。
【歴史】
1843年の上海開港に伴い、租界が誕生した数年後、戦乱等から逃げられた上海近隣の避難民たちが租界へと流れ込み、甚だしい住宅難が起こった。こうした難民に貸し出された家屋の殆どは連結式木造住宅で、コストが安く、「○○里」というような名前がつけられた。その後、これら簡易木造住宅は火災に着しく弱いため、石庫門里弄がその後にとってかわり実用性の高さと経済性のよさで石庫門里弄が全上海に普及する。その後数年間で複数の不動産業者がそれぞれの特徴を有した石庫門里弄を建立し、一時時期は上海市区内全住宅の六割以上が石庫門で占められるようになった。
時が流れ、盧湾区が太平橋地区の整備に乗り出したところ、1997年、香港の瑞安グループが上海中心部に位置する淮海路に隣接した太平橋地区の100年の歴史を誇る石庫門住宅群に注目。旧集合住宅の外見を殆ど変えずに、飲食娯楽・文化が一つになった総合商業施設「新天地」の建設プランを政府に提出した。1998年、正式に新天地開発がスタートする。「本来のままに改修する」とをモットーに、石庫門の当時のイメージを尊重するため、当時のフランス人設計士の署名が入った設計図を公文書館で探し出し、その図面に基づいて改修を行った。石庫門の特徴の一つである漆喰は上塗りしない、レンガのままの壁はその年代感を強調するために建材として瓦と共にそのまま残した。
こうして外観は石庫門の風格を残しつつ、内装は現代風の洗練されたデザインに改修されたクラシックモダンな一大商業地区が誕生した。世界各地からやってきた経営者や訪問客が新天地に集結し、それぞれが持ち寄った飲食文化と産業がこの今昔融合した場所に見事に合致した。こ「海派文化」つまり、百年以上前から西洋文化と共に発展してきた上海流文化が育んできた石庫門だからこそ、違和感なく受け入れたのだろう。
【建物】
新天地を語るのに新式石庫門の説明は外せない。新式とは、改修された石庫門建築を指す。新式石庫門は1910年代以降に登場し、一棟あたりの敷地面積は従来型よりも小さくなり上空へと発展させた。従来の石庫門で常用された縦張り式からレンガの壁式工法へと発展し、他の部分は伝統的な石庫門風格を保ちつつも門飾りの装飾など細かな部分は次第に西洋風へと変化している。
石庫門弄堂には石庫門の西洋館というちょっと変わった特徴館もある。富豪の中には、自分の邸宅を建てるのに目立たず安全性の高い場所にと、道路沿いを選ばず、まず、弄堂を一本造り、自宅をその弄堂の一番奥に設けていた。こうした邸宅の規模は小さくなく、外観はその周りにある集合住宅と変わらないように見える。このような邸宅は弄堂公館と呼ばれた。
壱号会所は20世紀初頭に建てられた、新天地内にある典型的な弄堂公館であり、一番保存状態のよい建物でもある。外観は円形のバルコニー、彫刻された模様、石の柱など、どれも欧米色が色濃くでているが、内装は中国江南情緒に溢れている。
近代的設備の導入は最小限にして極力公館本来の風格を損なわないようになっており、年代を感じるレンガの壁や細部の装飾、モザイクの床と螺鈿が施された大きさ木のドアなども殆ど傷みもなく使用可能で時の流れを感じさせるセピア色のブェールが完全に取り払われ、その時代特有の面影がくっきりと再現されている。この邸宅は優秀近代建築の一つに選出されている。
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