3大ビル in Shanghai - 基本情報｜中国旅行のチャイナエイト

【歴史】

浦東陸家嘴は1990年に国務院が浦東開発を宣言した黄浦江東岸の砂地。1994年に竣工した東方明珠には上海市内の全小中学生が学校行事として東方明珠タワー見学に行き、感想文を書かされている。その殆どは「この高さ468メートル、アジア最高、世界でも三番目に高いテレビタワーは。。。」という誇らしげな書き出しで始まっていた。上海で最も高い建造物が浦西から浦東へと場所を替え、新たな上海のシンボルの一つになったテレビ塔。上海市内の殆どの高架道路からあの三つの玉が確認できていた。

1998年、金茂大厦が上海超高層ビルの記録を塗り替えた。当時の陸家嘴には既に高層ビルが林立しており、ニューヨークや香港を連想させるまでになっていたが、金茂大厦はその中でも群を抜いて注目を集めた。87階にあるバー「GLOUD　9」は標高330メートル、2000年版ギネスブックに「世界で一番高い場所にあるバー」として認定され、当時上海で最もお洒落なバーとして上海人に大人気だった。

更に、10年後の2008年、高さ492メートルの上海環球金融中心が落成。すでに金茂大厦・環球金融中心・国家開発銀行・中国工商銀行・新華社金融情報平台上海総部などの高層ビルが建ち、浦東陸家嘴は中国のウォール街としての機能を有する上海で最も美しい夜景スポットの一つへと変貌していた。合計：3216のディーラー席を誇る上海証券取引所と上海証券大厦も陸家嘴にあり、その規模はアジア最大である。

【建物】

黄浦江沿いに聳える468メートルの東方明珠タワーはアジア一位、世界三位のテレビ電波塔であり、観光・飲食・歴史・会議展覧・電波送信が一つになった建造物でもある。2009年5月1日真ん中の球の中に、新たに「懸空観光廊」がオープンした。地上259メートルの高さにあり、窓を取り払われ、透明のアクリルボードが床になっているこの回廊から景色を見ると、絶景への感嘆とスリルからくる動悸の激しさで興奮せずにいられない。その上、地上267メートルには回転レストランがあり、ブッフェを楽しみつつ黄浦工の景色を360度余す所なくみることが出来る。特にディナータイムはライトアップされた黄浦工両岸が燦然と輝く様を上空から眺められる、とても贅沢な場所だ。

東方明珠塔の下には上海城市歴史発展陳列館、通称「オールド上海蝋人形館」がある。2001年5月にオープンし、「車馬春秋」「城廂風貌」など６つのテーマごとに上海の歴史を分け、千点余りの文物と約百体の蝋人形で紹介している。

金茂大厦は新しい世紀を迎えた頃の上海のランドマークだった。地上4205メートル、88階建で53階から87階にはいつつ星のグランド・ハイアットホテルが入っており、最上階は展望台で、高さ341メートルを誇る。

金茂大厦の設計は数々の超高層ビルの設計を手がけてきたアメリカシカゴのスキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリルが担当。設計士によると耐震・耐風などを科学的見地から考慮した上でこの独特の八角形のデザインになったという。少々眉唾な都市伝説だが、このビルを建てることになり、中国側代表がシカゴでデザイナーたちと設計おウランを相談した時の人数は合計8人、さて会議をはじめようと一人がふと腕時計を見たら夜の8時8分だった・・・こうして8という数字に因果がある超高層ビルは頭頂部に向かって先細りになって行き、中国の宝塔のように高貴な輝きを放っている。

金茂大厦最上階の面積は1520平方メートル、地上340.1メートルの高さにあり、現在中国国内で最も高くもっとも広い展望台だ。同じフロアには通称「空中郵便局」と呼ばれる88階展望台郵政サービスカウンターがある。自分や友達に空中郵便局オリジナルの消印が押された絵葉書を送るのもいい記念になるだろう。

金茂大厦落成から10年後の2008年環球金融中心、通称上海ヒルズが誕生した。上海ヒルズは101階建て、高さ492メートルで現時点で中国一位、世界三位の高さを誇る。全フロアに使用している鋼材の合計は650トン、消費鋼材の総重量はエッフェル塔の10倍だという。また、窓一枚の重さはグランドピアノ3台分に相当する。遠くから見ると上海ヒルズは栓抜きのようでゆったりと湾曲したら因果なんとも美しい。平べったい風洞がカバンの取っ手のようで、ひょいっとビルを持ち上げられそうだという人もいる。

上海ヒルズのルーフトップが開閉し、青空に手が届きそう。100階は床の一部がガラスなっていて、真下が見えるのでちょっと足がすくむ。高所恐怖症の方にはお勧めしない。

【周辺紹介】

この高層ビル3棟はそれぞれ「世界トップクラス」の冠を戴いており、上海の誇りの一つになった。上海人はこの3棟を１くくりにしている。3棟とも陸家嘴にあり、お互いの距離もとても近く、歩いて3棟制覇できるからだ。

東方明珠のすぐ横にある海洋水族館で、世界唯一の「中国エリア」を有した水族館でもあり、長江流域の水生植物や生物の生態を詳しく知ることが出来る。ヤドクガエルやリーフィーシードラゴンなどの非常に珍しい種目も鑑賞できる。館内には合計155メートルの4本の海底トンネルがあり、その規模も世界トップクラスを誇る。

正大広場はショッピング、休憩、映画鑑賞、スポーツなどが揃った上海最大のショッピングモール。もしここで夕食をとる予定なら、なるべく早めに予約を入れて、バンドの夜景が見える窓際の席を確保しておこう。アップル・ストアも先日近くにオープンし、世界最大級のショップの登場が大いに世間をにぎわせた。

夕べ後は濱江大道を散策しよう。心地よい風に吹かれて、対岸のオールド上海と背後の陸家嘴の魔天楼との対比を改めて眺めれば、まるで風景画の中にいるかのように錯覚してしまうだろう。