北京や上海、広州など中国を代表する大都市には全て「中ソ友好記念ビル」が存在し、中央ヨーロッパ諸国の中にも「○ソ友好記念ビル」が建てっている国がいくつがある。
これらビルはどれもよく似ており、その時代の象徴の一つになっている。
後に改名したとは言え、上海展覧センターがいまでも多くの人に愛される場所となっているのはこの典型的な旧ソ連風の建造物そのものがかつての歴史を物語っているからだろう。残念ながら、同じ場所にあった「愛麗園」の面影は跡形も無い。
【歴史】
上海展覧センターが建っている場所には、20世紀初頭の上海では非常に有名な大庭園があった。「愛麗園」別名「ハドォーン・ガーデン」というこの庭園は1910年に落成し、中国の古代小説「紅楼夢」にでてくる大観園をベースに洋風の造園テイストを加味したもので、丘や小川、東屋なども築かれ、60ヶ所以上の観賞ポイントがあり、当時は上海最大で最も豪華な個人庭園と名高く、「海上大観園」という美称もつけられたという。残念なことに所有者であるユダヤ系富豪のハドォーン夫妻が相次いで亡くなった後、後継者が折らず、この広大な庭園は荒廃してしまった。
1949年以後世界一のの社会主義国家、ソビエト連邦の経済と文化の確立と成就を紹介すべく、上海でソ連関連の大型展覧会を開催し、且つその会場に相応しい展覧館を建立することになり、その建設予定地は幾度かの選抜の結果、愛麗園跡地に決定した。そして1953年「中ソ友好大厦」が着工し、1955年に竣工。後に上海展覧中心と改名した。
【建物】
世界各国の建築様式が揃う上海でも、ロシア様式の上海展覧中心はまた格別のムードを有している。中央ホールは先端がキラキラと金色に輝く先細りの塔が特徴的で、先端は地上から106メートルある、途端に赤い五角形星を頂いている。
この伝統的なロシア様式の建造物はソ連の建築家が設計し、中国の建築家が施工に携わった。建物はそれぞれ序館・中央ホール・友誼会堂と西東二つの会館に分かれており、現在までに「1949-1989上海佳作建物ベストテン」「建国50周年10大金賞古典建造物」に選ばれた。
今世紀に入り、「整旧如旧」に忠実にかつての姿を蘇らせるべく全面改修が行われ、現在は上海最大の展示会場の一つとして活躍している。
【周辺紹介】
上海展覧センターでは2週間毎のローテーションで大型の展覧会や展示即売会が一年中開催されている。観覧ついてに周辺もチェックしてみよう。
延安中路側の正門から出て、威海路を越えれば、百年近い歴史ある陝西北路に出る。1キロ足らずの間に栄宗敬故居や宋家老宅、懐恩堂など、20軒以上の名所旧跡があり、それぞれ趣が異なるので一見の価値がある。
静安体育館の近くにある貝軒大公館は文化遺産をリノベーションしたブテェックホテルだ。1934年に中国銀行長の貝祖詒氏の邸宅として建立された。同氏は世界的な建築家、の父親でもある。奉賢路上には沢山の雑貨や飲食店が軒を連ねております。