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「午托班」とは?
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(9票) 更新日:2019年05月24日

中国の小学校では、昼休みの時間がとても長く設けられています。その為、一般的に昼休みは家に帰り、食事と昼寝をしてから又、学校へ戻り授業を受けます。 しかし、さまざまな理由で昼休みに家へ帰れない子供達もいます。その問題を解決する魔法の杖が、即ちこの午托班なのです。

ニーハオ!ようこそ~チャイナエイトへ~!



日本では、お目に掛かることのない、中国独特の業態である「午托班」を、今回はレポートします。



撮影日:2013年10月16日



撮影場所:広西省桂林市 育才路16号にある育才小学校と隣の午托班



 



中国では、小学校の授業時間は、午前08:15~11:50 午後14:30~17:15、昼休みが2時間40分も有り、普通は昼食したり昼寝したりする為に、一旦、家に帰ります。特に低学年の1~3年生の朝・夕の登下校は勿論、昼休みの登下校にも親族等の送迎が必要です。



一日に4回の送り迎えが必要な為に、近くに祖父母が居る場合は、おじいちゃん・おばあちゃんの活躍はなかなかのものです。



一人っ子政策で貴重な存在の孫のため、登下校に付き添うお年寄りは、よく見掛ける風景です。朝夕は親が送迎し、昼休みは祖父母がとかになったりします。



他に、家が遠い、親の仕事、祖父母等が近くに居ないなどの理由で、昼休みに家へ帰れなかったり、帰宅できても昼食などの世話をする大人の存在が昼間にいないなど、さまざまな家庭の要求に応える形で、自然発生的に通学児童を引き受ける、私設の託児所と寺子屋を合わせたような「午托班」が、1996年に河南省鄭州市で最初に誕生しました。この評判は他の地方にも伝わり、瞬く間に中国全土へ拡がってゆきました。



 



今では、中国中で普通に見られる存在になり、南方では「午托班」と、北方では「小飯卓」と呼ばれて利用されています。



午托班は3種類あり、種類別に、役割や料金が異なっています。



1、午托班:児童の昼食と昼寝を主に世話します。400元/月



2、晚托班:児童の夕食と宿題の指導をします。600元/月



3、全托班:学校の寮のように、月~金曜日の生活の面倒を見ます。親は日曜の夜に送り、金曜日の夜に迎えに来て、週末を家で過ごします。全托班の利用は、市内以外の遠方に住んでいる子供達です。1500元/月



 





評判の高い有名小学校近くには、多くの午托班が集中しており、取材した育才小学校の回りでは、10軒以上の営業が見られます。その為、生徒児童獲得競争も激しく、それぞれの午托班で色々なサービスをアッピールしています。



 





或る午托班では、授業終了時間に合わせて、校門外で班の名前のプラカードを持ち、児童を待ち受けます。



 





又、午托班の建物入口でもスタッフが待ち受け、帰って来る児童が全員、間違いなく揃ったかと点呼したりして、親への安心感を売りにしたりしています。



 





更に、セールスポイントとして、宿題の指導の他に、退職した元小学校の専門教師に依頼して、数学や英語の補習を行ったり、書道やペン習字の練習を取り入れたりと、さまざまな方法で特色を打ち出しています。



 





この様に、親達の要求に応じる形で成長してきた午托班ですが、親達が最も心配している問題に、食の安全問題があります。



自然発生的に「雨後の竹の子」状態で生まれた午托班だけに、嘗て消費期限切れのミルクやパン・不良食品などが、児童達に提供され、食中毒事件が各地で発生したりしました。



これを受け政府は、国内法を整備し、2008年に国の認可制にしました。



これ以後、営業許可書を受けてからの営業となりました。



 



しかし、これで親達が手放しで安心できるようになったとは言い切れません。中国では、正規品の陰には模造品が、正規営業の陰にはモグリの営業の存在があるからです。



国の未来を担う子供達の成長に、健康と安全を用意するのは、大人皆んなの責任です。



政府は、モグリの業者を取り締まるのは、社会皆んなの協力が必要だと、呼び掛けています。



 



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桂林・陽朔・龍脊棚田4日間



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