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上海工芸美術博物館
更新日:2015年06月04日

 上海工芸美術博物館は汾陽路79号にあります。上海の「プチ・ホワイトハウス」の異名を持つこの建物の中には悠久のエピソードを携えた多くの芸術品が展示されている。ここはかつてのフランス租界公董局官邸だ。

汾陽路は幅が少し狭い道で、散歩に相応しい道だ。緑が多く、通行する車も人も少なく、聞こえるのは蝉の声ばかり。狭い道を歩いていると、傍からの花壇の間から何度も小さな洋館が顔を覗かせ、79番地まで来ると上海工芸美術博物館にたどり着く。
【歴史】
汾陽路(旧名:華勛路)上のこの建物は冬至フランス租界最高の市政府組織であり、指導機関だった公董局だった。租界政府はその頃すこし郊外の辺鄙な場所で業務していたというから面白い。建物の風格は18世紀のヨーロッパ城郭風で、1905年に完成し、その真っ白な姿から、「上海のプチ・ホワイトハウス」というニックネームがつけられた。
建物はフランス人ボール・ブリュナに帰属する。ブリュナは1881年から1907年まで17回公董局董事を再任した人物で、うち6回は総董事に就任したフランス租界における大人物である。彼の名前は1906年から1914年まで「宝昌路」と道路名に冠していた。1915年い霞飛路と改名された。現在の淮海中路がそれである。
1934年に租界が回収され、汾陽路79号の公董局総董官邸という歴史も終わった。その後、WHOのアジア太平洋エリアの初代オフィスとしても使用され、1949年に新中国が成立した後は、陳毅が北京へ転勤した後は、中ソ友好協会の事務所になった。1963年5月、工芸美術研究所が入り、上海の民間人のうちの優秀な工芸家や工芸家を集め、作品製作と技術の伝統を始めた。されに2階のホールに陳列室を設け、一般公開も行った。2002年、正式に工芸美術館博物館となり、約300点の工芸品・美術品を展示。類まれな技術とすばらしい美術品のレベルの高さに、国内がから大勢の見物客が押し寄せるようになった。レーガン元大統領やイギリスのヒース元首相、エジプト大統領夫人なども観覧に訪れている。
こうした上海の民間工芸の中にも後継者がおらず、廃れてしまいそうなもの、廃れてしまったものもある明代の上海でのみ発展し、絶技として名高い露香園顧繍を刺せるのは今では十人足らずであり、平均年齢も高く、存続の危機に見舞われている。明清朝時代に国外にまで知られた嘉定竹刻は数年以内に後継者が見つからなければその技術は過去の歴史になってしまう。どうにか対策を講じてこうしたすばらしい伝統工芸や文化を後世と伝承していくことが、この建物の中にいる工藝家たちが負った大きな使命ななっている。
【建物】
門をくぐると右側にきれいな芝生が広がる。手入れがよく行き届いていて、端に添えられたS字型の小川が自然美を加味している。両側に生えた老齢の楠木が大きな枝を小川の上にまで伸ばしている。かつてはこの小川にブィーナス像が鎮座していたらしいが、残念ながら現在は行方不明だ。
反対側に目を向ければ、真っ白な洋館が目に飛び込んでくる。緑に囲まれたその様は絵はがきでみた光景だ。フランス租界公董局総董事の官邸として設立されただけあり、フランスルネッサンス様式の特徴が随所に見られる。横のラインの強調、左右対称のデザイン、地上二階と半地下の構造、横三段、縦三段の安定式などだ。一階と2階の間にくっきりとフリーズが施され、一階の中央に位置する半円形のテラスの左右からは、まるだ滝が流れ落ちるように流線型の階段が伸びていて、今にもドレスを着た貴婦人が降りて来そうな錯覚を覚える。
階段の手すり両端と欄干は花瓶の形になっており、曲線を多用することで柔和なイメージが強調されている。左右の階段が地上で再び向かい合うその内側には小さい噴水があり、真鍮のライオンの口から水が出るようになっている。今はもう閉口し、水は出していないが、その姿だけでも十分に見ごたえがある。
階段を上って一階へ。上辺がアーチ型になった床面まで届く窓が並び、窓枠は浅い浮き彫りが施されている。中央の玄関両脇には対になったイオニア式円柱、柱頭の形が又美しい。二階の窓は全て長方形で、窓枠の彫刻も一階のそれとは模様が異なる。フランスの窓の外の小さなテラスになる黒い鉄欄干のシーンの再現に最適な場所かもしれない。
一階エントランスは大理石一色で、精緻な彫刻が随所に見られる。室内の床はとても緻密にチーク材をモザイク状に嵌め込んであり、左側の小さいホールの壁は白だが、壁上の石膏彫刻は全てピンク色で、真ん中に黄色に縁取られた大きな鏡のしたにはヨーロッパ宮廷風のマントルピース。全てが調和し、ロココ調の趣に満ちている。
【周辺紹介】
上海工藝美術博物館内には数多くの美術品が展示されているが、中でも地下室に絶対にチェックしておこう。一流の工藝家たちが作業スペースを設けて黙々と芸術品を作っており、すぐに近くでその技術を見ることができる。だが、絶対に騒がず静かに、彼らの作業を邪魔しないように気をつけること。完成した作品は販売されるものもあるので、気に入ったものが見つかったら、旅の記念に買って帰ろう。
「工藝堪能」が終わったら、満足感を抱いたまま周辺散策に行こう、もし「音楽の道」体験がしたければ、上海音楽学院もこの道路上にあり、二胡、ブァイオリン、エレキギターなど様々ジャンルの楽器を扱うお店も集中しているので、色々見て回るのも面白い。更にこの道にはPaulaner BrauhausやAmbrosia和平官邸という、上海でも有名な「洋館レストラン」がある。
汾陽路、岳陽路、桃江路に囲まれた三角公園には、ロシアの有名な詩人、プーシキンの胸像がある。外国文化の色濃い上海ながら、外国人の銅像や胸像は上海市内には稀有で、この銅像を眼にすることは稀少価値がある。
汾陽路と交差する太源路にも瑞金賓館別館である太源別所や旧マーシャル邸など、かつての豪邸を初めとする歴史的建造物があるので、足を伸ばしてみよう。
桃江路は今でも一部分が昔のままに石畳を敷いており、より一層ヨーロピアン・テイストが強い。桃江路に行ったついでに東平路もチェックしてみよう。蒋介石と壮宋美齢の「愛の巣」だった洋館(現在はレストランSasha,S)やラピス・ラズリ、シンプルでおっしゃれな雑貨が揃うSimply Lifeなど、足が筋肉痛になっても後悔しない成果が得られるだろう。
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