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観光地レポート プリント
スウォッチ・アート・ピース・ホテル
更新日:2014年12月15日

 上海市中山東一路19号にあり、1908年落成した建物。花崗岩とレンガ造りの西洋建築で、外壁は白レンガを、階と階の間は赤レンガを用いている。ドアと窓の設計は変化に富み、バロックスタイルがうかがえる。「中国で最初にエレベーターを設置、使用した建物」として一躍有名になった。現在、ここは「スウォッチ・アート・ピース・ホテル」に変身している。

赤レンガの横のラインがアクセントになっているファサードの和平飯店南楼。
荘厳で威風堂々とした石造りのバンド建築群の中でそのデザインは異彩を放っており、女性味と温かみを感じさせ、バンドをたちまち私たちに親しみやすく、心安らげる場所へと変貌させている。
【建物の特徴】
「オスカーのエレベーターが音もなく6階建ての建物の中を上下する。レストランは5階にあり、250人が同時に食事を取れる。その奥に大きな厨房と補助施設があり、料理人たちの卓越した技術であらゆる現代人の好みに合うような料理を提供。同じフロアに会議室と閲覧室、そして美しいインテリアと一流の料理が楽しめるブッフェもある。ホテルの客室は1300室あり、快適な家具が完備されている。全客室にタイル張りの現代的な浴室が設けられ、温冷水を給水する。専用電話も全室完備で、大半の部屋には防寒用のスチームも設置。この建物の設計者は綿密な計算をしたのだろう、天候が悪いときも心安らげる場所があるようにと、屋上に庭園を設けた。無数の船が黄浦江上を行き交う忙しげな光景が、この屋上庭園から一望できる。」
現在の和平飯店南楼は6階建てのヴィクトリア・ルネサンス様式の混合構造で南京東路側から見るととても幅広く、大きな印象を受けるが、バンド側から見ると細長く見える。これはその細長い造りが原因の一つだ。バンド側の6階の屋上角には二つのトーチか風のが並んでおり、バロック様式なのに、色彩は東洋風で変わった様式ながらとて可愛らしい。1914年にホテル屋上庭園から不注意により出火し、この二つのは焼失してしまった。現在あるのは1998年に再建されたもので、写真を見比べると昔のとは若干異なる。
近づいてみると、和平飯店南楼の窓と窓際に沿って走る建立されたばかりの頃、玄関はチーク材の回転ドアで、顔が映るほどぴかぴかに磨かれていたそうだ。南京東路に面したエントランスホールには大きな木製の段階があり、欄干に施された彫刻がとても精巧で美しい。一階東側には300人収容可能な大レストランがあり、四方のチーク壁の装飾や天井の石膏板の美しい花彫刻などがクラシカルなムードを漂わせている。まどからはネオンきらびやかな南京東路の夜景も楽しめる。
 
【歴史】
パレスホテル(匯中飯店)と呼ばれています。
匯中飯店の全身は19世紀50年代に建立され中央飯店で、1903年に匯中飯店に改名。1906年既存の建物を取り壊し、新たに建て替えることが決定した。1908年、建物の規模もホテルのファシリティも当日の一流を誇るパレスホテルがリニューアルオープンした。パレスホテルは食事・宿泊・娯楽・社交・会議などあらゆるサービスを提供する超高級ほてると認められ、当時はこのホテルに宿泊したら、パーティを催しゲストを招くのがエグゼクティブの証であり、流行の最先端という風潮になっていた。ゲストがスムーズに移動できるようにと、エレベーターが2基設置したことで、パレスホテルは「中国で初めてエレベーターを設置・使用した建物」としても一躍有名になった。
また、中国政府と列強各国との折衝や租界当局の重要な会議には毎回パレスホテルの会議室が使用されていたので、上海の政治の中枢としても機能していた。例えば現在でも外壁に「万国禁煙会会址」(万国禁煙会会場跡)という銅のプレートが掲げられている。これは1909年に中国・イギリス・アメリカ・フランスらが参加した万国禁煙大会の会場としてホテルのパレス・ホールが用いられていた記念プレートだ。この会議はワールドワイドな禁煙運動の序幕に値すると国際社会に認められている。
1911年12月29日、孫中山(孫文)が上海に到着し、中国同盟会がパレスホテルの宴会場で盛大な歓迎会を催した。孫文も席上で演説を頼まれ、かの有名な「革命未だ成らず、同志よ、引き続き努力せよ」という台詞を残した。1956年、パレスホテルは和平飯店南楼と所属を替える。その後もかつと同様に上海有数の一流ホテルとして各国元首やVIPなどを迎え入れ続けた。

 
【スウォッチ・ギャラリー・インフォメーション】
現在、ここは「スウォッチ・アート・ピース・ホテル」に変身している。スイスのスウォッチ・グループ傘下のオメガ、ブレゲ、ブランパン、スウォッチの4つのブランドがそれぞれ1階にフラッグショップを営業している。2階から上はブティックホテルとして経営されている。面白いのはホテルが世界中からアーティストを招待し、六ヶ月間ここで創作活動を行なってもらい、チェックアウト時に最優秀作品をホテルに寄贈することで代価を受け取っているのだ。この作品はもちろん一般にも公開される。今後空中庭園やタワーレストランなどの建設計画が進んでいるらしく、それらが完成すれば、ファミリティも景観も上海で最もロマンティックなランドマックの一つになることだろう。
その近くに中華圏で最もビジネスが盛んなストリート南京東路歩行街があり、その以外にもホテルの近くに行ってみる価値のある場所はもちろんある。たとえば、バンドの後ろにひっそり隠れたような四川中路や歩行街と平行している九江路だ。これらの道には渝信川菜、王宝和、鮮墻房など、上海人の誰もがだ太鼓判を押す中華料理レストランがある。
【主な出来事】
1902年2月中国・イギリス・アメリカ・フランスの代表が「パレス・ホール」で万国禁煙大会を開催
1911年12月中国同盟会が大会を開き、孫文が重要な講話を発表
1927年蒋介石と宋美齢がパレス・ホールで婚約披露宴を開催
1936年3月チャップリンの「モダン・タイムス」主演女優ポーレット・ゴだードが51号室に宿泊
1964年1月周恩来総理が「九霄庁」でフランスの政治家エドガール・フォールと会談。数日後に両国の国交樹立を宣言した
1965年和平飯店南楼に改築
1998年6月30日徐匡迪上海市長(当日)が九霄庁でクリントン大統領とヒラリー夫人の歓迎会を催す。
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