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Bund 18
更新日:2014年12月02日

 バンドの異国情緒濃厚な建物群の中では、Bund 18は外見上特に目立つ要素はないのだが、その玄関には沢山の高級車がいつも横付けされており、通行人の注目を集めている。バンドには商業施設にリノベーションされた建造物がいくつかあり、Bund 18もその一つだが、先陣を切った訳ではない。だがこの建物は2006年度にアジア太平洋文化遺産保全賞を受賞している。同年では中国国内でこの建物のみがその栄誉に輝いたのだ。Bund 18は既に上海屈指のランドマークの一つだといえるだろう。

上海市中山東一路18号にあるBund 18は1923年落成した建物。三階建てのイギリス式建造物として建てられ、1922年にパーマー&ターナー事務所(公和洋行)が再建した。外観でもっとも目立つポイントは二階から四階に伸びる2本の巨大なイオニア式円柱だ。 外灘で商業施設にリノベーションされた建造物のうちの一つだ。Bund 18の歴史を紐解いてみると、なるほど中々面白い。
【歴史】
ここにはかつてイギリスのロイヤルファミリーから特許状を交付されたオリエンタル・バング(麗如銀行)の所在地だった。同行は中国に始めて進出した外資系銀行で1847年設立され、イギリス・ロンドンに本部がある。東洋諸国との貿易が主要業務だったため、東方銀行とも称された。資料によると、当時上海で流通していた貨幣の殆ども、同行が発行していたという。
 
1892年、麗如銀行は多額の債務を抱えてしまい、本部命令に従い、倒産を宣言する。残務処理はやはり特許状を有したチャータード銀行(渣打銀行)が請け負い、同年末、この建物に入居した。
チャータード銀は上海支店の名称はその初代支店長になったジョン・マッカラー(麦加利)氏の名前からそのまま「麦加利銀行」と名づけられた。麦加利銀行はチャータード銀行が極東に設けた最大の支店であり、上海一番歴史ある外資系銀行にもなった。同行が入居した建物も一時期は「麦加利大楼」と呼ばれていたが、1955年に「春江大楼」に改名した。
2004年、この建物は改装改修工事が竣工し、銀行ビルから商業ビルへと華麗なる転身を遂げた。現在、超高級ブランドのフラッグショップや世界に名だたるフレンチレストラン、ハイセンスなバーや多彩なジャンルのギャラリーなどがテナントとしてこの建物に入居し、上海流行発信源ーBund 18として耳目を集め続けている。
【建物】
Bund 18は三階建てのイギリス式建造物として建てられ、1922年にパーマー&ターナー事務所(公和洋行)が再建した。外観でもっとも目立つポイントは二階から四階に伸びる2本の巨大なイオニア式円柱だ。この古典主義を取り入れた円柱を装飾物として用いるのが、新古典主義建物の最大の特徴である。巨大な石柱の後ろに張られたガラスのカーテンウォールが意外にもこの建物に繊細さを与えている。

正面玄関では両側の銅門のチェックを忘れずに。この精緻なギリシャ模様が刻まれた銅門はバンド建造物郡中唯一、赤銅と青銅を混ぜて鋳造した珍しいものだ。よく見てみると、暗褐色の「Charterd Bank Of Australia, India And China」という文字も彫られており、この建物のかつてのオーナーの正体を人にとに知らしめている。数十年の歳月が流れても、この銅門は依然として当日の光沢を保っているのである。
2002年ごろ、この優秀歴史建物の従来の姿を極力留めるべく、この建物の新しいオーナーはイタリアのヴェネチアにいるベテランの文化財修復専家バンド18号のリノベーションを手がけてくれるように依頼した。工事中、専門家は「この建物は何て多くの歴史の傷跡を背負っているんだ。我々は細心の注意と最大限の忍耐を持って責務に臨まない」と。
今ここで行っている工程や技術は1000年以上前に建てられたイタリアの教会の修復作業の時と同じだよ。」と感嘆の声を上げたそうだ。外壁を傷つけずに汚れを落とすために20人の作業員が歯ブラシでせっせと磨いた期間は三ヶ月に及ぶ。
エントランスホールの床にも注目してもらいたい。専門家たちは元々大きなパーツの大理石板を敷く計画を立てていたが、後ろに地面が西から東に向かって約10cmほど高低差があるのが分かり、計画を中止した。これは上海の特殊な地質現象の一つ、地盤沈下によるものだ、そこで一万個以上の小さな大理石の欠片もつなぎ合わせることで、傾斜なくし、利用者が高低差で平衡感覚を狂わせることも無くなった。
この建物は高いクラリティとゴージャンス感を内包している。テナントのレストランもブティックもすべて一流・高級店であり、この建物にふさわしい店が揃っている。
【周辺紹介】
一階には高級ブランドショップが勢ぞろい。カルティエやゼニア、ヴァーチュ、ブシュロンなどが入っており、高級志向の人のための買い物天国になっている。レストランやブランドショップ同様、超一流店だ。5階にある灘外楼は窓から真正面にある東方明珠テレビ塔を見ることができ、店内はシックに赤と黒で統一されている。鮑、フカヒレ、ツバメの巣の最高級中華食材を使った料理を主力としており、その名声に奢ることなく、日々美食の追求を続けているだけあって、舌も目も心も予想以上に満足するとこだろう。
最上階の7階にあるバールージュではバルコニーでそよ風に吹かれながら浦東の美しい夜景を観賞しつつグラスの傾るのが、ここでの定番になっている。お酒と絶景の相乗効果を与えてくれるいつもより心地よい酔いに身を任せよう。ゆっくり座ってこの建物が蓄積してきた歴史と輝きを堪能するなら、ロビーラウンジでコーヒーはいかがだろうか。Bund 18こそ、訪れる価値のある場所だ。
 
 
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