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冬間近 黄金色に染まる山里・大桐木湾村
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(8票) 更新日:2013年12月09日

中国で銀杏(ギンナン)の古里と呼ばれている土地が、桂林市からほど近い場所に在ります。 そこは、霊川県海洋郷の大桐木湾村です。 村を中心に海洋郷には、約百万本以上のイチョウの樹々があり、樹齢百年以上の樹も1700本以上あるそうです。


ニ−ハオ!ようこそ~チャイナエイトへ~!



今回は、12月1ヶ月間限定の初冬のハイライト、黄金色のイチョウ観賞へと参りましょう。



この村は、中国有数の銀杏の産地で、銀杏を村の主な生業としての数百年の歴史があります。



撮影日:2013年12月6日



撮影場所:広西省桂林市 霊川県大桐木湾村



 



村へ向う車道の両側の並木は、緑の木立の間にすっかり葉を落した木々も混じっており、僅かな葉っぽを残すのみのか細い枝を空に伸し、12月初旬の比較的暖かな陽光に透かすシルエットが、冬の近いことを感じさせます。



 



村に近ずぐと、遠くの山から近くの畑までイチョウの林で占められていて、この時季は黄色一色の風景になっています。



桂林市内から中型バスの乗合いで、約1時間20分ほどの山里です。



幹線道路でバスを下り、徒歩で10分少々山あいの村へ入ります。



 





村に、カメラを携えて撮影に訪れるひとが現れ、村人も観光を意識し、2003年頃よりイチョウの黄葉の時季にのみ入村料徴収を始め、又村人各々が自家産の作物を路上や広場へ並べ、臨時収入を得ようと勤めています。



 





並べられた作物は銀杏を筆頭に、栗・芋・干し竹の子・干しイモ・干し柿と、イカにも手作り自家製を思わせる素朴な産物が並べられています。



 





村の中へ入ると、左手に山からの傾斜がなだらかな斜面の広場をつくり、そこに適当な間隔に数十本のイチョウ木が広がって立ち、稜線越えの初冬の優しい光線が斜めに射し込み、樹々の黄金色の葉を輝かせています。



 





戸数十数戸の農家の建物とのコントラストも好ましく、一眼レフの本格的機材を構えた写真愛好家や、俄かカメラマンもデジカメや携帯で撮ったりと、2~30人もの人達が夢中に撮影に没頭しています。



 





下から上まで200m程度の斜面に、点在する樹々の葉が斜光に透かされ、キラキラと上空を被っている様を見上げては楽しみ、下を見ては地面に散り敷いた色紙の上を歩くような気分で、少し冷たい心地好い空気を味わいつつゆっくりと登ります。



 





最上部に、村の守護神のような存在の大きな老樹が立っており、「白果王」(銀杏王)との名札が建てられています。



樹齢500年余りで、嘗ては樹高40メートルほどもあったそうですが、今はもうその役割を終え、4~5mから上は無く下の部分の太い幹だけが、ドッかと根を下し昔の偉容を偲ばせています。



 



辺りのイチョウは、おそらくこの神樹の子孫木だろうと思われます。



中国料理のスープ(湯)には、よく銀杏が入っており、以前は銀杏はかなり良い値で取引されたそうです。他の農村と比べると、少しゆとりを感じさせるこの村を支えて来た数百年の歴史を終え、老大樹は子孫木へバトンを渡し、静かに村の生活を見守っている雰囲気を漂わせています。



 





小さな小さな山里で少し冷えた体に、何か温かなものを胸に村を後にしました。